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秋山紀夫先生の輸入楽譜新譜紹介です


 No.43(2004年4月28日版)

サザン・ミュージック社からのサンプルCD vol.20(注文番号:CD-125、無料)からの曲を紹介しましょう。このCDには中上級バンド向けの難しい曲が収録されています。

 1. At the Movies(映画で)
J.P.Sousa(スーザ)作曲/M.Rogers(ロジャース)編曲/グレード4/16:50/CD-125に収録

この曲の原タイトルは、"Suite of Scenarios for Cinematographers"(映画のためのシナリオ組曲)で、1915年、映画が登場してすぐにスーザが作曲した描写風な組曲です。第1楽章「セレナーデ」、スーザ・バンドの各パートの名人芸を紹介できるように書かれています。まず金管セクションのコラール、次に木管セクションの流れるようなメロディーにホルンが絡み、アルトサックスのカデンツとなり、クラリネットのソロやトランペットの二重奏が続いていきます。パート紹介の曲としてとても便利です。7分30秒で、アンコールには少し長いかもしれません。第2楽章「悪党と内気な女中」、ミステリー風にはじまりバスーンのソロが聴かれます。そのあとハープの伴奏にのってオーボエが女中を表現します。次々に不気味な音楽のあとバスーンが悪者を表現します。続いてオーボエとバスーンのかけ合いが二人の争いを表し短く終わります。4分15秒。第3楽章「平均運動とスウィングするパートナー」、1920年代に流行したラグ・タイムのリズムの楽しいダンス音楽です。速く軽快で、スコット・ジョプリン風な流れるようなトリオを持つ3部形式の曲です。4分47秒。2004年はスーザ生誕150年にあたるので、ぜひ全国のバンドのコンサートでこうしたスーザのマーチ以外の曲を取り上げてもらいたいです。

 2. The Coventry (宿なし達)
F.McBeth(マクベス)作曲/グレード4/14:33/CD-125に収録

この曲はマクベスがアメリカで一番古い歴史をもつアレンタウン市民バンドの創立175周年を記念して作曲したものです。マクベスはこの曲の材料として最もアメリカ的な作家の一人のブレッド・ハート(1836〜1902)を選び、彼の著書の中の物語にヒントを得て作曲しました。第1楽章「出発」、荘重なムードを持つゆっくりした楽章です。3分46秒。第2楽章「トムとパイニー」、この楽章もテンポは遅く、ホルンや木管が美しく歌う抒情的な楽章で、所々にマクベスらしい厚い深い響きのハーモニーが聴こえます。5分。第3楽章「嵐」、木管がよく動き金管も高鳴り、いかにも嵐風な音楽です。エキサイティングなこの楽章だけで自由曲にも充分使えます。5分15秒。マクベス健在を示す大曲です。

 3. An American Anthem(アメリカ讃歌)
J.Gibson(ギブソン)作曲/グレード4/9:50/CD-125に収録

この曲はジョン・ギブソンがテキサス・ウィンド・シンフォニーに捧げた曲で「ザ・スター・スパングルド・バナー(アメリカ国歌)」を素材として作曲し、テロの犠牲者を讃えた曲です。木管により静かに開始され、ホルンにより国家の断片が現れますが、はじめは平和で美しいアメリカが描かれています。次第に国歌の姿が明確になりひとつのクライマックスをつくります。そのあとテンポを速めて変奏曲風になり、次第にテロの影がしのびよってきます。しかしティンパニーのソロでテンポをゆるめ、国歌が讃歌風に高らかに歌われます。時間は9分50秒と充分な長さです。テロで亡くなった人たちを偲んだ曲の中で、大変良く書かれた曲です。

 4. Legacy (遺産)
J.Spears(スピアーズ)作曲/グレード4/10:10/CD-125に収録

ジャレット・スピアーズが久しぶりに発表した大作で、長い打楽器アンサンブルで開始され、現代的な響きを持つ主部に入りますが、打楽器はバックにずっと続いていきます。「打楽器アンサンブルとバンドのためのコンチェルト」のサブタイトル通り、マリンバのソロ、トロンボーン・クワイヤー等、打楽器とバンドの楽器との対話も多く、面白く手応えのある作品です。打楽器のパートは3人のソリストがいろいろな楽器を分担します。曲は2部形式で後半速くなっていきます。10分10秒で打楽器奏者には大変喜ばれるでしょう。

 5. Concertpiece No.2(演奏会用小品 第2番)
F.Mendelssohn(メンデルスゾーン)作曲/H.Gee(ジー)編曲/グレード3/9:35/CD-125に収録

この原曲はメンデルスゾーン作曲のBbクラリネットとバセットホルンの二重奏の曲です。それをここではBbクラリネットの二重奏とバンドに編曲してあります。第1楽章「プレスト」2分。第2楽章「アンダンテ」3分55秒。第3楽章「アレグロ・グラツィオーゾ」3分40秒の3楽章からできていて、原曲通りのバセットホルンを使った二重奏が出来るのであれば、より面白い効果が上げられます。純粋にクラシックな曲です。

 6. Fujita 5 (フジタ5)
C.Tucker(タッカー)作曲/グレード4/3:10/CD-125に収録

世界中で起こる竜巻(トルネード)の大きさを測るのに用いる単位、「Fスケール」を作ったのはアメリカ、シカゴ大学で生涯を気象学に捧げた藤田哲也博士(1920-1998)です。アメリカ映画の「ツイスター」はこの藤田博士がモデルだったとのこと。現在では国際的な基準となっている「Fスケール」のFは、博士のFujitaの頭文字Fをとったもので、竜巻の強さを弱い方からF0、F1、F2.......という単位に表しました。「F0」は小枝が折れたりTVアンテナが壊れたりする程度の微弱な竜巻(風速17〜32m)を指します。最大級「F5」は建物の基礎から剥がされて飛ばされてしまったり、想像を絶する事象が起きる竜巻(風速117〜142m)のことです。その「F5」の竜巻を描いたのがこのシンフォニック・マーチです。曲のはじめに荒れ狂う竜巻が描かれ、マーチの主部に入っていきます。曲の中ではいろいろな楽器のソロも聴かれます。F5らしく荒々しいマーチです。作曲は新鋭クリストファー・タッカー。



次の曲はこのCDに入っていませんが、厚さ10cmもある箱入りで出版されたバーンズの曲です。
 7. Phoenix(フェニックス、不死鳥)
J.Barnes(バーンズ)作曲/グレード5/42:00

この曲はバーンズの第5番の交響曲で、2002年が陸上自衛隊中央音楽隊の設隊50周年にあたったため、それを記念してバーンズに作曲を依嘱した曲です。初演は同年6月2日の第50回定期演奏会で行われ、録音はそれに先だって3月に武蔵野音大バッハ・ザールで録音され、フォンテック(FOCD-9169)からリリースされました。曲は次の4楽章から出来ています。第1楽章「ユーロジー(悲歌)」、ファンファーレ風にはじまり大河ドラマ風なメロディーや構成を持っています。オーボエとバスーンの二重奏によるメロディーも美しいです。別奏隊のバンダによるサウンド・クラスターも含まれます。14分3秒。第2楽章「スケルツォ」、ペトルシュカ風な速い楽章です。5分37秒。第3楽章「レヴェリー(白日夢)」、ゆっくりした楽章です。10分44秒。第4楽章「ジュビレーション」、「君が代」を主題とした変奏曲になっています。ここでもバンダが使われます。11分29秒。とにかく、どのバンドでも演奏できる曲ではありませんが、よくこんな大作が出版されたと思う程の大曲です。



M8オススメ楽譜情報

「パイレーツ・オブ・カリビアン〜呪われた海賊たち」メドレー
ディズニーランドのアトラクション「カリブの海賊」をもとにつくられた海賊映画です。ジョニー・デップ主演で大ヒット。ところどころにあの「カリブの海賊」のシーンが出てきます。音楽もディズニーのスケールが大きい雄大な音楽です。

ディズニーランドのテーマ音楽
本場アメリカの「ディズニーランド」のテーマ音楽メドレーです。アメリカと日本の「ディズニーランド」はほんのちょっと違います。アメリカは東京ディズニーランドにはないアトラクションが何個もあります。そしてアメリカはミッキーが金髪なのです(ウソです。でもアトラクションはホント)。と言ってもこのメドレー、もちろん東京ディズニーランドと同じ雰囲気が出せます。

パート別フィーチャー・ポップス・メドレー
パート別のセクションがそれぞれ有名なポップ曲のメロディーを楽しくつなげていく今までなかったメドレーです。まず、トランペットが「007のテーマ」を、そしてホルンが「荒野の七人」を、そしてクラリネットが「フリントストーン」、アルト・サックスが「ピンク・パンサー」、トロンボーンが「ピーター・ガン」、テューバが「ヘイ・ベイビー」、ダブル・リードが「スクービー・ドゥー」、スネアドラムが「ワイプ・アウト」、そして最後にフルートが「星条旗よ永遠なれ」でしめるメドレーです。

小ハンガリー狂詩曲
変化に富んだ良い曲。中・高校の自由曲におすすめのルンデル社の目玉曲。

アイヴァンホー
「アイヴァンホー」は1819年に発表された歴史小説の主人公の騎士の名で、全3楽章から出来ています。音楽では物語の特にどの部分の描写ということではなく、この物語全体の雰囲気を表現しています。「騎士」をイメージして演奏を!

ゴッドスピード!
1998年にスーティーブン・メリロが作曲した3部形式の曲で、わきたつような速いAと、ゆっくりした大らかなメロディのBで成り立つ6分ほどの曲です。彼の作品の単一の曲の中で最もよくまとまった曲の一つ。

アイガー:頂上への旅
「アイガー」はスイス・アルプスにある3970mの山で、この曲はその北壁にいどんで遭難した登山家の息子ジョン・ハーリン(その時9才だった)が、40年後に父に代わってこの北壁の登頂に成功するという物語をもとに作曲したものです。スウェアリンジェンの力作で見逃せません。

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