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秋山紀夫先生の輸入楽譜新譜紹介です


 No.84(2007年3月16日版)

アメリカのアルフレッド出版社はワーナー・ブラザース出版社を傘下に収め、大きな出版社となりましたが、本体のアルフレッドはロバート・シェルドンを編集長に迎え、以前から多く出版していたグレード1〜2の楽譜を2006-2007の新曲も43曲程出版しています。それらは「デビュー・シリーズ」「アクセント・オン・アチーブメント・シリーズ(教則本と併用)」「チャレンジャー・シリーズ」「ヤング・バンド」「ビデオ・ゲーム・ライブ」等にわかれています。いずれもやさしいのですが、中には効果的な曲もあります。ここではグレード3以上の「コンサート・バンド・シリーズ」をご紹介しましょう。

 1. Symphonic Fanfare(シンフォニック・ファンファーレ)
Mark Camphouse(マーク・キャンプハウス)作曲/グレード5/6:00

マーク・キャンプハウスのオリジナルで、イリノイ州ウィートン市民バンドの創立75周年を記念して作曲されたグレード5の曲です。トランペットの強力なファンファーレにはじまり、ホルンも高鳴ります。中間部にゆっくりしたコラール風な部分(音は厚い)もはさみ、もう一度ファンファーレにもどります。コンサートのオープニングに絶好。力のある市民バンドにおすすめのアルフレッドの目玉曲の一つです。

 2. Confession(告白)
Eric Schmidt(エリック・シュミット)作曲/グレード4/6:12

エリック・シュミットの「祈る人のシンフォニー」の第2楽章にあたる曲で、途中がフーガになる強力な曲です。前後はゆっくりしていますが色彩的で深い表現力が必要になります。

 3. Starlight Memories(スターライト・メモリーズ)
Darren Jenkins(ダレン・ジェンキンス)作曲/グレード3/5:00

ダレン・ジェンキンスのオリジナルで、カンサス州オラサ市民バンドのサクソフォーン奏者エド・バドスキーの追憶のために作曲されたバラードです。そのため中間部でアルト・サックスのソロとなります。スターライトは、ジャズ奏者でもあったエドがよく演奏した劇場の名前です。曲はジャズではありません。

 4. A Prairie Portrait(大草原のポートレイト)
Robert Sheldon(ロバート・シェルドン)作曲/グレード3/5:30

ロバート・シェルドンのオリジナルで、カール・サンドバーグという人の詩の印象に基づいた曲です。カウボーイの音楽風に元気よく開始され、ゆっくりしたバラード風な主部となり、馬車のひづめの音と共に少しテンポを速めパノラマ風な西部のメロディーとなります。後半は更に速くなり、カウボーイのダンス音楽となり盛り上がります。終わりは再び望郷的なホルンの美しいメロディーとなり、もう一度盛り上がって終わります。

 5. L'Esprit du Tour! Fanfare for Lance
  (ツールのエスプリ:突進のファンファーレ)
Randol Alan Bass(ランドル・アラン・ベース)作曲/グレード5/5:00

ランドル・アラン・ベースのオリジナルで、フランスで行われる「ツール・ド・フランス」という自転車競技を画いたグレード5の曲です。打楽器も活躍し、技術的にむずかしく、ハープも使われます。映画音楽のような派手な曲。フランスとアメリカの選手の健闘をたたえ、最後には米国国歌「星条旗」の断片も出てきます。

 6. Buenaventura(幸運)
Steve Hodges(スティーヴ・ホッジス)作曲/グレード3.5/4:00

スティーヴ・ホッジスのオリジナルで、ゆっくり短調で開始され、主部はテンポを速め、ラテン打楽器を使った楽しいリズムの曲となります。シンコペーションを沢山使った短調のメロディーが魅力的で、コンサートにもアンコールにもおすすめです。

 7. As a Wind from the North(北からの風のように)
Robert Sheldon(ロバート・シェルドン)作曲/グレード5/6:20

ロバート・シェルドンのオリジナルで、ジョージア州ゲインスヴィルのノースウインド・シンフォニック・バンドのために作曲した曲です。グレード5で、テンポの速い激しい曲で、シェルドンの作品の中ではむずかしい曲。 中間部でゆっくりして「栄光の王」というメロディーも出てきます(ホルン、Saxのソロ)。再び激しくなって終わります。後半はこのメロディーを動きまわる木管が飾って効果的に盛り上がります。力のある市民バンドにおすすめ。

 8. Arden Variations(アーデン変奏曲)
John Edmunds(ジョン・エドマンズ)作曲/グレード4/6:30

ジョン・エドマンズのオリジナルで8小節のコラールをベースとした変奏曲で3つの楽章から出来ています。フルート・セクションと木管によるテーマの提示にはじまり、金管がくり返し、転調し変奏曲がはじまります。第2楽章がリズミカルな変奏曲で、すべての楽器が活躍します。第3楽章はテンポの速い色彩的な変奏曲。

 9. Slumber My Darling(眠れマイ・ダーリン)
Stephen Foster(ステェファン・フォスター)作曲/Brant Karrick(ブラント・カーリック)編曲/グレード3/6:40

フォスターが1862年に作曲した歌をブラント・カーリックが編曲したものです。日本ではあまり有名なメロディーではありませんが、深いサウンドで抒情的なアレンジとなっています。

 10. Tsunami(つなみ)
Vince Gassi(ヴィンス・ガッシ)作曲/グレード4/5:00

ヴィンス・ガッシのオリジナルで、紀元前1500年に地中海のクレタ島をおそったつなみを画いた曲。この曲は2004年春に作曲されましたが、その年の12月にインドネシアで偶然に大つなみが起ってしまったとのこと。曲はフルートのソロで静かに開始され、ギリシャ風なメロディーが聴かれ平和な島が画かれます。そして変拍子となってテンポを速め、つなみの来襲が画かれますが、やや平凡な表現です。

 11. A Most Wonderful Christmas(すばらしいクリスマス)
Robert Sheldon(ロバート・シェルドン)編曲/グレード4/8:00

クリスマス・ソングを集めたジャズ風なアレンジで楽しい一曲です。一般的に知られた5曲のクリスマスのポップソングのメドレーです。テューバのソロではじまる「サンタが町にやってくる」が一番楽しめます。

 12. Over Slope and Summit(オーバー・スロープと頂上)
Douglas Akey(ダグラス・アーキー)作曲/グレード4/6:30

コロラド州ラブランドのマウンテン・ヴュー高校バンドのためにダグラス・アーキーが作曲した曲です。ロッキー山脈を望む町なので、山に関連するタイトルがつけられています。

 13. Manzanita(マンザニタ)
John O'Reilly(ジョン・オレイリー)作曲/グレード3.5/4:00

初級バンドの作曲、編曲で定評のあるジョン・オレイリーのオリジナルで、南カリフォルニアの山々を表現しています。劇的に開始され、打楽器が活躍するインディアンの踊りを表現する部分もあります。

 14. Metroplex: Three Postcards from Manhattan
  (都市の風景:マンハタンからの3枚の絵はがき)
Robert Sheldon(ロバート・シェルドン)作曲/グレード4.5/5:15

ロバート・シェルドンのオリジナルです。タイトルのように3つの部分から出来ています。はじめは大らかな音楽でマンハッタンのビルの群れがダイナミックに画かれます。次はゆっくりしたジャズとなり、ニューヨークのもの憂い雰囲気が画かれます。ハーレムのナイト・クラブの雰囲気とのこと。最後はにぎやかな交通量の多いストリートがいそがしく画かれます。最後にもう一度はじめの部分がもどり終わります。シェルドンの力作。グレード4.5で、5分15秒と短いですが大変効果的な曲で、充分にマンハッタンの3つの風景を楽しめるとともに、演奏も楽しめます。


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