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秋山紀夫先生の輸入楽譜新譜紹介です


 No.86(2007年4月3日版)

今回はドイツの作曲家ロルフ・ルディンの作品(自身のロルフ・ルディン出版社から)を紹介しましょう。ロルフ・ルディンは1961年ドイツのフランクフルトに生まれ、同地の音楽院で学び、1991年に作曲の、1992年に指揮のディプロマを受けています。1993年から2001年の間フランクフルト音楽大学で教え、現在はフランクフルト郊外のエルレンジーに住んでフリーの作曲家として活動しています。作品は室内楽、合唱曲、管弦楽曲と幅広く、またいくつかの作曲賞も受賞しています。吹奏楽には代表作として8楽章の組曲「星の沼〜一つの出発、作品42(約32分)」や女声合唱とシンフォニック・ウインド・オーケストラのための「永遠に〜ヴィンセント・ファン・ゴーの手紙によるシンフォニック・アプローチ〜」(4楽章、約33分)といった大曲があります(RRCD-1に収録)。また「レクイエム」という混声合唱つきの作品70もあり、これは45分の大作です。また「星の荒れ地」という8楽章の組曲(32分)、「大ホール」という13楽章、34分の曲も書いています。以上はみなグレード6ですが、グレード2〜6の作品も20曲程出版していますので、その中から何曲か紹介しましょう。


 1. A Little Walk in the Garden(庭の小散歩)
R.Rudin(R.ルディン)作曲/グレード2/4:00

この曲ははグレード2で、ゆっくりしたテンポの木管とトランペットのメロディーが中心になり、それに中低音のメロディーもうまくからむ、やさしく美しい4分程の曲です。テンポは変わりません。

 2. An Old French Sailor's Tale(古いフランスの船乗りの物語り)
R.Rudin(R.ルディン)作曲/グレード2/3:00

これもグレード2、3分の曲で、木管がゆるやかに歌い、金管がリズミカルにからむ3拍子の曲で、サクソフォーンのやさしいソロも聴かれます。後半は少しおそくなってフルートのソロ、テューバ、ティンパニーのソロが聴かれ静かに終ります。

 3. Shepherds' Procession(羊飼いの行列)
R.Rudin(R.ルディン)作曲/グレード2.5/5:30

グレード2.5で、金管から元気よく開始し、羊の首についているベルの音が聴こえ、山からのやまびこがかえるように音楽が応答します。6/8拍子の木管のやさしいメロディーが続き、アメリカのスクールバンドを意識したような作品です。後半オーボエのソロも聴かれます。

 4. The Wide Open(広大な眺め)
R.Rudin(R.ルディン)作曲/グレード3.5/8:30

この曲は広大な風景を描いたグレード3.5の曲で、8分30秒程の長さです。木管ののびのびしたメロディーから開始され、フルートの美しいメロディーでくり返され、ホルンもからまります。盛り上がりも充分で、中級バンドにおすすめです。途中からテンポを速め、こまかいリズムの上に低音の金管が高まります。コーダではテンポをゆるめ堂々とした後、テンポを速め効果的に終わります。コンクール向きの曲。

 5. Song Without Words(詩のない歌)
UN619/R.Rudin(R.ルディン)作曲/グレード3/5:00

グレード3、5分の曲。ゆっくりと美しく歌う曲で、木管と金管のからみが巧みに作曲されている、癒し系の音楽です。グレード3ですが歌わせ方や盛り上げ方はグレード4の表現力が必要です。

 6. Firmament(大空)
R.Rudin(R.ルディン)作曲/グレード3.5/8:30

グレード3.5で、時間は約9分。打楽器と金管でドラマチックに開始されます。主部は速く、ややスウェアリンジェン的なリズムで木管が歌います。トランペットと打楽器も活躍します。おそい中間部を持つ3部形式の曲で、トランペットのソロが聴かれ、また速い主部にもどる、アメリカ的な構成を持つ曲ですが、スウェアリンジェンよりは手がこんでいて、自由曲としても好適です。

 7. The Dream of Oenghus(オイネウスの夢)
R.Rudin(R.ルディン)作曲/グレード4.5/22:00

「オイネウス」は、酒の神ディオニソスからはじめにブドウの木を与えられたという王の名。この曲はアイルランドの伝説をもとに作曲された音詩で2つの楽曲からできていて、グレードは4.5、第1楽章は8分、第2楽章は14分とかなり長めです。風の効果的で静かにはじまり、ホルンを中心とする金管が現れ、木管が風の効果を高めます。低音の無気味でドラマチックなメロディーも現れます。打楽器を加え次第に高まり大変演奏効果のある曲です。

 8. A Playing of the Waves(波のたわむれ)
R.Rudin(R.ルディン)作曲/グレード5/11:30

シンバルの一撃からはげしくはじまるグレード5の曲で、時間も約12分と長め。テンポが速く、各パートとも激しく動きます。時間が少し長いのでカットに工夫が必要ですが、嵐のような激しさをもつ曲で、コンクールむき。もちろんテンポの遅い木管中心の抒情的な部分も出てきます。

 9. Pale Moon(蒼い月)
R.Rudin(R.ルディン)作曲/グレード4/17:30

「夜の絵」というサブタイトルを持つ、グレード4、約18分の曲。ヴィブラフォンが効果的に使われているゆっくりした静かなムードからはじまります。中低音のもり上がる部分もあり、表現力のあるバンドにむいています。ムードや強弱の変化には富みますが、テンポの変化は少ないです。

 10. Reflection of the Moon(月の反影)
R.Rudin(R.ルディン)作曲/グレード4/12:00

これも「夜の絵」というサブタイトルがついています。グレード4で約12分。鍵盤打楽器等で静かにはじまります。テンポの変化は「蒼い月」よりありダイナミックな曲。5音階の日本的なメロディーも現われます。ムードでは「蒼い月」、変化では「月の反影」といった感じです。

 11. Imperial Prelude(イムペリアル前奏曲)
R.Rudin(R.ルディン)作曲/グレード5.5/10:00

これもグレード5〜6の10分の長い曲。テンポの速い華やかなムードをもつ曲です。金管が活躍します。にぎやかさともり上がりは一番ある曲です。ただ長いのと中間部に混声合唱がついているのでご注意。オルガンも入ります。それだけに演奏効果は充分な大曲です。

 12. Bacchanalia(バッカス祭)
R.Rudin(R.ルディン)作曲/グレード5.5/12:00

酒の神バッカスの祭を画いた曲です。グレード5〜6で、12分とやはり長め。テュッティで激しくはじまり、大変ドラマチックです。中間部にホルンのソロによるゆっくりした部分もあります。そのあと木管・金管ともこまかく対比的に動き、激しい舞曲となり大変効果的。しかしコンクールにはカットが必要。変化は充分あります。

 13. Druids(ドイルド、ケルト族の僧)
R.Rudin(R.ルディン)作曲/グレード5/12:30

「ミスティリカルな追憶」のサブタイトルをもつ、グレード5で約13分。この曲も劇的に激しくはじまります。打楽器や低音も活躍し、それが静まると打楽器がヴァイブを中心に神秘的なサウンドを作ります。効果的でおもしろいです。意欲的な市民バンドにむいています。どろどろした感じの激しく終わる曲。

 14. At the End of the Day(一日の終わりに)
R.Rudin(R.ルディン)作曲/グレード5.5/13:00

この曲は珍しいイングリッシュホルンのソロとバンドの曲です。グレードはソロ6、バンド5で、約13分。ゆっくり静かに短調ではじまり、すぐソロが出ます。変化の多い、異色なおもしろい曲です。ソリストがえられれば演奏会によいです。

 15. About the End of Time(時の終わりに)
R.Rudin(R.ルディン)作曲/グレード5.5/18:00

「予告」のサブタイトルをもつ、低音で不気味にはじまる曲です。グレード5〜6、18分とこれも長いです。期待をもたせるような楽句でゆっくり進んでゆきます。長大な劇的な曲が好きなバンドは是非とり上げてみると良いでしょう。


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