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秋山紀夫先生の輸入楽譜新譜紹介です


 No.91(2007年10月10日版)

アメリカ、カンサス・シティーにあったウインガート・ジョーンズ出版社は、現在ペンシルヴァニア州のパオリに移って、元海兵隊軍楽隊長のジョン・ブージョワーを編集者に迎えて活動しており、2007〜08年度には9曲の新譜を発表しています。


1. American Hymn Tune Sketches(アメリカ聖歌によるスケッチ)
J.Prescott(J.プレスコット)作曲/グレード3/6:05

ジョン・プレスコットのオリジナル作品。2つの聖歌をもとに作曲された曲で、ファンファーレ風にはじまり、「いかに基礎が作られたか」というコラールが静かに奏された後、テンポを速め、変拍子による打楽器も活躍する部分もあり、更にまたテンポをゆるめてコラール風になる変化のある曲。グレード3で、フルートの長いソロや木管のアンサンブルを聴かせる部分の後、金管も加わって高まります。終わりの盛り上がりも充分で、6分5秒。コンクールにも使えます。

2. From Four And Beyond(4つの音とその発展)
G.Gilroy(G.ギルロイ)作曲/グレード4/8:13

この曲はゲリー・ギルロイのオリジナルで、オハイオ州のトロイ高校の依嘱によるグレード4の曲。この高校の校歌から4つの音を使って作られているため、このようなタイトルがついています。リズミカルに開始され、中音楽器が4つの音を提示し、序奏を作り、変奏曲風で激しい主部に入ります。木管と打楽器による変奏につづき、金管も加わって高まります。中間部はテンポをゆるめ、ヴァイブラホンの響きの上に、木管が歌います。やがてホルンも加わり、校歌の断片が奏せられ、美しい変奏がつづきます。この部分は大変魅力的なサウンドが聴かれます。再びテンポを速め、打楽器や金管が活躍し、フィナーレへと突入します。盛り上がりも充分。8分13秒。

3. White Rever Revival(ホワイト川の復活)
L.MacTaggart(L.マックタガート)作曲/グレード3.5/7:00

ラリー・マックタガートのオリジナル。ミズーリ州からアーカンソー州にかけて流れるホワイト川の流れを音楽の旅のように表現したグレード3.5程度の曲。木管の細かい動きで開始され、中音楽器による流れるような美しいメロディーが歌われ、これがくり返され、いろいろな楽器にひきつがれます。やがて少しリズムを変え、流れの様子が変わります。トロンボーンのウエスタン風なゆっくりしたソロが聴かれ、トランペットによりくり返されます。次の部分は西部のカウボーイの歌や踊りの雰囲気をもつ楽しい部分となり、かけ声も入ります。次にややゆっくりしたあと次第にテンポを上げ、川が岩の多い急流にさしかかるようです。しかしここでもまた第1部の美しいメロディーが再現され、ホルンのメロディーで高まり、クライマックスを作って終ります。7分。コンサート向きの、アメリカ風な明るさを持つ楽しい曲。広くおすすめしたいです。

4. Kingsbridge Overture(キングズブリッジ序曲)
D.Gorham(D.ゴーアム)作曲/グレード3.5/7:20

ディヴィッド・ゴーアム作曲の序曲で、グレード3.5の曲。金管のファンファーレで開始されます。テンポを速める主部はフルートなど木管のアンサンブルで音は少しうすいです。やがてホルンがメロディーに加わりトランペットもメロディーをくり返し主部を作ります。中間部はゆっくりして、ユーフォニアムとフルートのメロディーにヴァイブラホンがからまります。スウェアリンジェン等の曲より上品。このメロディーはホルンを加えて高まり中間部を終え、速い第3部に入ります。はじめの主部をくり返し、コーダに入って終ります。7分20秒。アメリカの作曲家の世代の交代が進んでいることを思わせる曲です。

5. Greensleeves Variations(グリーン・スリーヴズ変奏曲)
R.Foster(R.フォスター)作曲/グレード4/6:12

カンサス大学のロバート・フォスターの作品。イギリス民謡を使ったグレード4の曲。曲はファンファーレ風にトランペットに導かれて、速いテンポで開始され、序奏を作ります。テーマはオーボエで奏せられ、ピッコロとテューバという組合わせでくり返されすぐ変奏に入ります。第1変奏は6/8拍子で速い変奏。メロディーはあまりくずされていません。第2変奏はユーフォニアムのソロで、カデンツァ的に変奏されます。第3変奏は低音楽器による変奏で、打楽器のアンサンブルも変奏に加わります。第4変奏はバスーンからはじまるゆっくりした木管中心の変奏。チャイムも印象的。第5変奏は2/4拍子で、小太鼓のリズムで開始され、低音楽器と高音が対話的に変奏して終ります。6分12秒。 良い曲ですが、終り方が少しあっさりしています。演奏で変えることもできるでしょう。

6. Twilight Dances(薄明りの舞曲)
W.Ballenger(W.バレンジャー)作曲/グレード4/4:13

ウイリアム・バレンジャーの作品でグレード4の曲。鍵盤楽器でひそやかに開始され、現代的な和音の木管の響きとなり、テューバの短いメロディーのあと再び木管となり、クリスタル・グラスによるグラスハーモニカの響きが加わります。それに次第に打楽器が加わり、舞曲のリズムとなります。ゆっくりする部分はなくそのまま高まって終ります。4分13秒。

7. Olimpus(オリンパス)
B.Kopetz(B.コペツ)作曲/グレード3/6:00

バリー・コペツの作品で、ギリシャ神話での、オリンパスの丘から神々が望めたとの伝説で作られたグレード3の曲。 曲はテュッティでゆっくりとはじめられ、やや速い主部に入りますが、この主部はあまり速くなくのんびりした雰囲気を持っています。中間部はゆっくりしたコラール。第3部は第1部をくり返しますが、少しテンポを速めています。初・中級バンド等で無理なく演奏できそうな曲です。6分。

8. Shards of Glass(ガラスの破片)
B.Dietz(B.ダイエツ)作曲/グレード4/3:50

作曲者のバレット・ウィリアム・ダイエツは2005年度にNBA(ナショナル・バンド・アソシエーション)の作曲賞を受賞した作曲家で、ミニマルアート(最小限主義芸術)の作曲家と言われています。この曲はワルツの形で書かれていて、いろいろな楽器によってメロディーが歌われ、決して前衛的ではなく、むしろショスタコヴィッチ風でもあります。転調が頻繁に行われます。ソロはいろいろな楽器に沢山現われます。一般バンドのコンサート向き。3分50秒、グレード4。

9. Three Dances from The Maid of Orleans(「オルレアンの少女」から3つの舞曲)
P.I.Tchaikovsky(P.I.チャイコフスキー)作曲/J.Bourgeois(J.ブージョワー)編曲/グレード5.5/11:54

チャイコフスキーが1881年に初演した、ジャンヌ・ダルクを主人公にしたオペラからブージョワーが編曲したものです。内容は「ボヘミアンの踊り」「少年達の踊り」「俳優達の踊り」の3曲からなります。「ボヘミアンの踊り」:活溌な舞曲、メロディーはスラブ的。中間にオーボエのソロによる悲しげな音楽も含まれ、そのあと木管アンサンブルの軽快な舞曲も現れます。再びはじめの活溌な舞曲にもどり盛り上がって終ります(6分40秒)。「少年達の踊り」:バロック音楽のような木管アンサンブルによるのどかな舞曲。メヌエット(1分10秒)。「俳優達の踊り」:再び速い舞曲で、木管やホルンがこまかい音型で活躍します。木管も負けずに動きまわり、大変エキサイティングな曲。各パートのテクニックを聴かせるのに好適な曲。アンコールにも向いています(4分4秒)。グレード5〜6で、手ごたえのある曲。上級バンドにおすすめです。1・3楽章は単独で演奏しても良いです。

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