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秋山紀夫先生の輸入楽譜新譜紹介です


 No.94(2007年12月4日版)

 今回はオランダのde haske社からの2枚のCDからの曲を紹介しましょう。まずはフィリップ・スパーク作品集のCD「Symphonic Metamorphosis(交響的変容:フィリップ・スパーク作品集X)」(商品番号:CD-605)から。少しもおとろえないスパークの創作意欲に驚かされます。

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  次は邦人による作品集「Tower of Babel(バベルの塔)」(商品番号:CD-416)から。これは名古屋芸術大学ウィンド・オーケストラの演奏によるCDで、次の曲が収録されています。


1. Royal Salute, Concert March(ロイヤル・サリュート行進曲)
P.Sparke(S.スパーク)作曲/グレード4/4:55/CD-605に収録

エルガーの「威風堂々」と同じスタイルのコンサート・マーチで、スケールの大きい曲。旋律や構成も魅力的。グレード4で4分55秒。

2. Prelude to a Celebration(式典への前奏曲)
P.Sparke(S.スパーク)作曲/グレード4/5:00/CD-605に収録

日本の泉大津市吹奏楽団の依嘱で作曲された曲。トランペットのファンファーレで開始され、コラール風なメロディーのあとヴィヴァーチェの速い喜ばしげな主部に入ります。この部分はいくつかのスパークらしい良い旋律が用いられていて、最後にファンファーレのメロディーが短く現れて終ります。終り方がややあっさりしています。

3. A Quiet Moment(静かな時)
P.Sparke(S.スパーク)作曲/グレード3/4:28/CD-605に収録

アメリカのバンド・ディレクターだった人の家族から依嘱され、その人の生涯を追憶して作曲された曲。スパークは会ったことはありません。したがって曲は木管のアンサンブルで開始される静かなゆっくりした曲。ただし短調ではありません。曲は次第にもり上がり、静かに終わります。

4. The Camelot Chronicles(「キャメロット年代記」組曲)
P.Sparke(S.スパーク)作曲/グレード3/8:30/CD-605に収録

イギリスのアーサー王伝説に出てくる宮廷のあった町の名が「キャムレット」で、イングランドの西の方というだけで正確な場所は不明です。その町をテーマとしてアメリカの高校バンドの依嘱により作曲した曲で全5楽章。「1楽章:城門にて」、キャムロットの町そのものを描写した曲。ティンパニーを伴って劇的に開始されます。0分52秒。「2楽章:アーサー王」、 木管中心の静かなムードの曲。トランペットとティンパニーが最後に聴こえます。0分38秒。 「3楽章:魔法使いマーリン」、魔法使いで予言者のマーリンを画いた曲で、軽快なムードでときどき、激しさがまじわりますが、すぐ終わります。1分37秒。「4楽章:ランスロットとグウィネヴィア」、ランスロットは円卓の騎士の中で最もすぐれた騎士でしたが、アーサー王の王妃グウィネヴィアとの恋愛で円卓は崩壊してしまいます。その2人を画いた曲。チャイムのひびきの中にサックスが歌う甘いムードの曲。1分45秒。「5楽章:円卓の騎士」、小太鼓のロールに乗って金管がファンファーレを奏で、木管が中世風なメロディーのテーマを奏し、次第にテュッティとなり高まります。3分23秒。

5. Scenes from a Comedy(喜劇からの場面)
P.Sparke(S.スパーク)作曲/グレード4/9:00/CD-605に収録

スイスの市民バンドの依嘱で作曲。序曲(1分44秒)、ハーレークインの入場(0分46秒)、ハーレークインとコロンバイン(2分31秒)、終曲と農民の踊り(3分31秒)、の4楽章から成っています。ハーレクインは主人公パンタルーンの下男の道化役でコロンバインの恋人。それらの登場人物を楽しく画いた曲です。各曲は続けて演奏されます。木管のソロが多いです。

6. Prelude on an Irish Folk Tune(アイルランド民謡による前奏曲)
P.Sparke(S.スパーク)作曲/グレード3/4:00/CD-605に収録

低音楽器で静かに歌い出されるゆっくりした曲。オーボエをはじめとする木管が主題を歌いついでゆきます。ユーフォニアムの美しいメロディーもつづき、全楽器のテュッティとなってもり上がり、また静かに消えてゆきます。

7. The Legend of Celobrium(セロブリュームの伝説)
P.Sparke(S.スパーク)作曲/グレード4/13:00/CD-605に収録

2007年に100周年を祝ったルクセンブルクの市民バンドの依嘱による曲。セロブリュームはローマ時代の町の名です。アレキサンダー大王時代に城のあった所で、ルクセンブルグ郊外の高台にあります。そこの歴史に基づく音楽。激しい感じで開始され、金管が高鳴る、「第1楽章:ゾルヴァーの城」からはじまります。2分30秒。「第2楽章:敵との遭遇」、激しい戦いの音楽で、「第3楽章:タラとの戦い」にすぐ移ります。0分24秒+2分59秒。「第4楽章:追放」、静かな悲しいムードの音楽。2分01秒。「第5楽章:ディファーダンジェへの旅」、重々しく劇的。2分43秒。「第6楽章:ディファーダンジェの城」、激しいドラマチックな音楽。1分47秒。「第7楽章:悪魔の出現」、突然音楽が静まり、激しい悲鳴と共に終わります。28秒。グレード4の描写的な音楽です。

8. The Girl with the Flaxen Hair(亜麻色の髪の乙女)
P.Sparke(S.スパーク)作曲/グレード3/2:31/CD-605に収録

ドビュッシーのピアノ曲からの編曲です。クラリネットが主題を歌い出し、木管に引き継がれてゆきます。短いですが美しい編曲。

9. Colorado Springs(コロラド・スプリングス)
P.Sparke(S.スパーク)作曲/グレード4.5/9:50/CD-605に収録

コロラド・スプリングスはアメリカ・コロラド州にあり、米空軍士官学校のある所で、この学校のバンドからの依嘱で作曲した3楽章の曲。「第1楽章:スプリングス・ファンファーレ」、ティンパニーのソロで開始され、すぐホルンからファンファーレがはじまり、全楽器に拡大されます。2分04秒。スケールの大きい曲。「第2楽章:7つの滝」、町の近くの滝で眺めのよい場所の描写曲。木管で軽快に開始されます。「第3楽章:パイクス・ピーク」、町の北西にある高い峰を画いた曲。1859年頃ゴールド・ラッシュにわいた所で、富士山の次に登る人の多い山とスパークは言っています。バスーンのソロでのどかに開始され、ホルンも加わり壮大に山の姿が画かれます。もり上がりが雄大。4分03秒。

10. Symphonic Metamorphosis(サン・サーンス「交響曲第3番」の主題による交響的変容)
P.Sparke(S.スパーク)作曲/グレード4/13:00/CD-605に収録

この「交響的変容」は、サン・サーンス作曲の交響曲第3番の主題に基づく全5楽章の組曲。アメリカの高校の依嘱。「第1楽章:イントロダクション」、有名なオルガン交響曲のテーマによる序奏。1分38秒。「第2楽章:スケルツォ」、切れ目なしにつづき、喜ばしげな楽章。2分43秒。「第3楽章:変換(トランスフォーメーション)」、クラリネットのカデンツァでこの楽章に入り、第1楽章のテーマがゆっくり、木管を中心に奏せられる美しい楽章。1分57秒。「第4楽章:メディテーション(瞑想曲)」、切れ目なしに静かに歌い出されます。木管中心。3分15秒。「第5楽章:アポセオシス(信仰)」、ティンパニーで激しく開始され、有名な金管低音によるテーマが現れ、フーガにと移ってゆきます。3分48秒。グレード4でうまくつなげばコンクール向きです。

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次は邦人による作品集「Tower of Babel(バベルの塔)」(商品番号:CD-416)から。これは名古屋芸術大学ウィンド・オーケストラの演奏によるCDで、次の曲が収録されています。

1. Le Carnaval Romain(ローマの謝肉祭)
H.Berlioz(H.ベルリオーズ)作曲/T.Takahashi(高橋徹)編曲/グレード4/8:14/CD-416に収録

この曲のみアレンジ曲で、高橋徹による編曲です。中間部のバスーンのソロの出る前に音が薄くなる部分がカール・フィッシャー社出版の編曲と異なっていて、木管で演奏するようになっていて安全です。グレード4、8分14秒。

2. Sinfonia(シンフォニア)
Satoshi Yagisawa(八木澤教司)作曲/5:50/CD-416に収録

浜松市立高校吹奏楽部の依嘱で「愛」をテーマとして作曲した曲。中音楽器のやわらかく温かい音でゆっくりと開始され、木管がしなやかに歌います。リヒャルト・シュトラウス風な旋律が魅力的です。テンポは変らず、最後は木管が長く尾を引いて消えてゆきます。

3. Shichi-Go-San(七五三)
Itaru Sakai(酒井格)作曲/6:57/CD-416に収録

日本語のタイトルがついていますが、内容は特に日本的ということはありません。速い主部からはじまりますが、中間部に入る前で、木管を中心としたやや不安げな音楽も現れます。ゆっくりした中間部はアルト・サックスのアドリブ風なソロが中心。再び速い主部にもどる三部形式。ただタイトルにちなんで七拍子、五拍子、三拍子が多用されているとのこと。

4. Tower of Babel(バベルの塔)
Hayato Hirose(広瀬勇人)作曲/11:36/CD-416に収録

曲は次の7つの部分で構成され、続けて演奏されます。1.バベルの塔、2.東方からの移住者、3.塔の建設、4.希望、5.神の危惧、6.混乱、7.離散。中近東風なメロディーが中心となった、描写的かつドラマチックな内容です。

5. Perseus(「ペルセウス」大空を翔る英雄の戦い)
Satoshi Yagisawa(八木澤教司)作曲/6:55/CD-416に収録

京都府立桃山高校吹奏楽部のために作曲した曲で、ギリシャ神話に基づいていて、かつイギリス映画「タイタンの戦い」からも影響をうけた曲とのこと。曲の冒頭で女声によるユニゾンの歌声が現れます。中間部はテンポを速め、戦いを表現し、一転して、おだやかな表現となりますが、再び激しさを増し、更に大らかな音楽となり、再び女声の歌が流れて終わります。

6. Andalusia(アンダルシア)
Kumiko Tanaka(田中久美子)作曲/4:55/CD-416に収録

1990年作曲者が訪れたスペインのコルドバ、グラナダ、マラガ等アンダルシア地方の印象をもとに作曲された曲。カスタネットを交えた3拍子のスペイン風なメロディーで構成される楽しい曲です。

7. Moment Musical(モマン・ムジカル)
Hayato Hirose(広瀬勇人)作曲/3:34/CD-416に収録

作曲者が、結婚前に奥さんとすごした思い出をもとに作曲されたコラール。ゆっくりした、愛に満ちあふれた雰囲気をもつ曲です。

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