- シリーズ
- MUS 輸入吹奏楽協奏曲(スコア&パート) 【ピアノ・フィーチャー】
- 解説
- De Haske Publications
ピート・スウェルツは1960年ベルギー生まれの作曲家で、ルーベンのリーメンス音楽院で学び、ピアノ演奏と作曲で賞を受けました。またアンサンブル「ニュー・ミュージック」の指揮にもあたっています。この「ウィングス(翼)」という曲はルーベン(ベルギー中部の町、ブリュッセルの東北東27km)にあるルーベン大学の健康サービスセンターと看護研究センターの創立40周年を祝って作曲された3楽章のピアノと吹奏楽のための協奏曲です。第1楽章「バラード」:自由なソナタ形式で、A、G、A、C#、Bbの5つの音を主題に使っています。曲はティンパニーの響きの中からピアノ・ソロが現れ、いかにも協奏曲風な出だしです。短いカデンツのあと短調の美しい主部に入り、ピアノが旋律を奏し、やがてバンドにメロディーが移るとピアノが細かい動きで飾ります。大変魅力的なメロディーを持っています。第2主題もピアノで提示されます。13分25秒の充分な長さを持つ楽章で、ピアノのテクニックがいたる所で示され、はじめから7分程の所に長くゆっくりした自由なピアノのカデンツァがあり、再び協奏に戻ります。情熱的なコーダに入って曲を閉じます。第2楽章「ロマンス」:サクソフォーンが奏するゆっくりした美しい主題が提示されます。ピアノが静かに加わり、ロマンチックな雰囲気をつくります。木管の奏するメロディーをピアノが音階形で飾ります。美しく印象的な楽章です。6分37秒。第3楽章「トッカータ」:打楽器の奏する細かいリズムから曲がはじまり、ピアノがリズミカルに加わり、続いてバンドが衝撃的に加わっていきます。ピアノの低音域のリズミカルな動きが曲を支配しています。6/8と2/4拍子の交じり合ったリズムパターンが独特な効果をもたらし、4分7秒の曲を閉じます。
(秋山紀夫) - 作曲者
- ピート・スウェルツ (Piet Swerts)