- シリーズ
- MUC 輸入吹奏楽クラシック作品(スコア&パート)
- 解説
- Ludwig Masters Publications
この序曲はメンデルスゾーンが1824年、15才の時に姉のレベッカに連れられてバルチック海のドッペルアンに避暑に出かけ、その町のバンドのために作曲したもので、ロマン派の作曲家の手になる数少ない吹奏楽曲のなかでも特に貴重な作品です。曲は、序奏をもつソナタ形式で、15才の少年の作とはとても考えられないほどの、彼の天才を示す立派な曲です。3/4拍子のゆっくりとした序奏部は、ホルンに導かれて静かに開始され、木管が美しく歌いだします。2回のフェルマータで旋律が半終止したあと、ブリッジの部分に入り、ここでトランペットにより、のちにソナタ形式の第2主題となる音型が何回も奏せられ、3回めのフェルマータで序奏を終わります。主部は4/4拍子のアレグロ・ヴィヴァーチェで、活発な第1主題、リズミカルに追いかける第2主題、それに第2主題を中心に発展する展開部をもち、形どおりの再現部とファンファーレ風なコーダを経て終わります。19世紀初期のロマン派のスタイルをもつすぐれた吹奏楽のための作品です。
(秋山紀夫) - 編曲者
- ジョン・ボイド (John Boyd)
- 作曲者
- フェリックス・メンデルスゾーン (Felix Mendelssohn)