- シリーズ
- MUN 輸入吹奏楽オリジナル作品(スコア&パート)
- 解説
- ジャズ・イディオムをシンフォニックに表現する「ミラージュ」シリーズの5作目にして最終作。Vはサンクと読みます。真岡ウインドオーケストラによる委嘱作品。2018年3月、「響宴」で真島俊夫氏の遺作として演奏されました。
以下は真島俊夫氏自身による作品解説です。
19〜20世紀の作曲家で、多かれ少なかれジャズの影響を受けなかった人は皆無であろう。ドビュッシー、ラヴェル、ストラビンスキー、バーンスタイン、そして武満徹も大きな影響を受けている。これらの偉大な作曲家達に影響を与えたジャズの魅力とは何かを考えると、ブルースに根ざした心打つ旋律。フランス近代の和声をもっと洗練させた、モダンで官能的な響きのハーモニー。そして複雑で刺激的なリズムの魅力であろう。
これらは、観念的な技法に偏り過ぎ、人間の心から離れすぎてしまった現代音楽に対する一つのアンチテーゼとも言える。また一方で私はオーケストラのシンフォニックな響きの魅力にも惹かれ続け、その一見相反する二つを融合しようと考え続けてきた。それが私の「ミラージュ」シリーズだが、この曲はその第5作目となる。
真岡ウインドオーケストラさんからの委嘱で書いたこの曲は、同オーケストラの長い活動の歴史と、それを支えてきた方々への敬意、それに加えて輝ける未来への讃歌として書いた。
曲は「ミラージュ」シリーズに必ず使っている特徴的なテーマで始まるが、やがて様々なハーモニーとリズムで展開される。やがて様々な想い出を回想するように静かな中間部となるが、やがて未来へと向かう壮大なクライマックスへと発展して壮大に曲を閉じる。
真島俊夫
※アトリエエム社の楽譜については、演奏許諾書を添付するため、ご購入の際は、演奏団体名が必要となります。 - 作曲者
- 真島俊夫 (Toshio Mashima)