- シリーズ
- MSOKE 輸入ピアノ・ソロ
- 解説
- G. Henle Verlag
自筆譜では当初「セレナード」とのみ表記され、後に作曲者の自伝ではより正確に「グロテスクなセレナード」と改名されたこの曲は、ラヴェルのピアノ作品として知られている最古の作品です。1893年に作曲されたと考えられ、生前は未発表のままでした。ラヴェル自身、生涯敬愛した作曲家エマニュエル・シャブリエの影響を指摘しており、その奇抜な展開は明らかです。しかしながら、不協和音の荒々しさや冒頭のピチカティッシモといった個々の特徴は、後期のラヴェルの作風を示唆するものと見受けられます。技術的にそれほど難しくない「グロテスクなセレナード」は、ラヴェルのピアノ音楽の世界への良い入門書と言えるでしょう。特に、ラヴェルのピアノ音楽の真の鑑識眼を持つセドリック・ティベルギアンが運指を担当したことは、その魅力をさらに高めています。 - 作曲者
- モーリス・ラヴェル (Maurice Ravel)
- 編成
- Piano