No.06 7月の練習場で.......

 コンクールに出場できるのは30人。あと10日しかないのにまだ1・2年生35人の全員で練習している。5人は誰を削るか未定のままだ。しかし、これが高校の部活動の大切な部分で、レギュラーの座をしとめるために皆がガンバル。野球や他の運動部でも、きっとこのような緊張感がつきものなのだろう。
コンクール1週間前の会場リハーサル直前にやっと出場メンバーを決定。控えになった選手たちにも、楽器運搬・録音・録画・棒振りなど活躍する場を多く用意しておかなければいけない。レギュラーが欠席や遅刻をするとすぐにリリーフに入る。補欠はいつでも戦える用意がなくてはいけない。
例年3年生はゼロで1・2年生だけの参加のため、東部地区の強豪に比べ、弱点だらけ。おまけに、コンクール直前にもかかわらず、午前中の夏期講習でたっぷり勉強したあとの部活動だから、1日せいぜい4時間の練習(実は去年より1時間多くした。先生も生徒もガンバルのだ! 目標は東海大会!)。この高校における吹奏楽部指導の中でいちばん良い成績は5位。もう一歩で東海大会出場というレベルに達したことがある。チャンスは十分あるよ!
吹奏楽は「生徒の発するオト」で構成されているものの、音程を聞き分け、バランスを調整し、聴かせどころを作って一つの音楽作品に仕上げるのは「指揮者」だ。粘土をじっくりこねまわして焼き物を創る陶芸家のように、ていねいに。ただイッチニ、イッチニと棒を振っているわけではないのだ。「ピアニスト」と同じなのだ。だからこそ、ピアニストが良い作品に巡り会って、身も心も没頭できればそれが理想なのだ。「これ弾いてください」なんて言われても、自分が感動できる曲でなければ奮い立てない。演奏する生徒たちのやりたい曲と、指揮者の好みがマッチしたときこそチャンス到来。さて、今年は……。

静岡県立沼津東高校吹奏楽部
尾上 敏起

部員数:男子9名 女子43名 計52名   ※部員数は掲載当時のものです。
部のモットー:情熱・知性・感動

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