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No.43 ワァーパチパチパチ…子どもたちの笑顔!

 「松森さん、早く外、来てね。来ないとやめないから」午前の練習が終わり、昼休み。弁当を食べた子どもたちは、外でドッジボールを始める。子どもたちは私のことを「先生」とは呼ばない。学校の教師ではないからだ。
 1998年4月、知り合いの父兄から吹奏楽の指導をしてほしいと頼まれた。顧問の先生が転勤になり、吹奏楽部が続けられなくなりそうになったためだった。当時近所に住んでいた私は軽い気持ちでOKし、転勤になった元顧問の先生も同校にお子さんがおり父兄という形になったので2人で指導にあたった。
 その夏、潰れかかった部がコンクールの県大会に進むことができ、子どもともども喜んだ。1年だけのつもりが2年、3年と続き、4年目を迎える2001年4月、部員数が10人になり、いよいよ潰れるかというとき、どうにか続けられないかと考え、ジャズバンドのような形にすることにした。金管だけのブラスバンドにしようかとも考えたが、せっかく木管をやっている子がいたので活かしたかった。
 「ちょうど仙台にはジャズフェスティバルがあるから、コンクールには出られなくても、それに出よう」と子どもたちに言った。子どもたちはジャズなど聴いたこともない。ところがスタンダードなジャズのCDを聴かせると、「カッコイイね。これやりたい」と良い反応だ。とりあえず安いエレキベースを買い、クラリネットやフルートの子にはサックスを兼用させ、すでに持っていた吹奏楽用の楽譜で「イン・ザ・ムード」や「茶色の小瓶」をやってみることにした。なんとか1ヵ月で2曲ほど通せるようにしてジャズフェスティバルのテープ審査に間に合わせ、子どもバンドということもあってか出演する権利を得た。バンド名は子どもたちが考えた。
 9月ジャズフェス当日、ジャズバンド(コンボくらいの人数か?)になって初めて人前で演奏した。20人くらいの人が聴いてくれただろうか。定禅寺通りの端の方で野外演奏した。初めて拍手をもらった。その帰り、同世代の子どもたちのバンド演奏を観た。そのうまさに圧倒された。
 「来年はもっとうまくなる」
 それから5年、少しずつ進歩して現在、部員22名。いちばん大きな会場で演奏したときは、4000人もの観客の前で演奏したこともあった。子どもたちも自信をつけた。人に聴いてもらうことの楽しさ、喜んでもらえたときの嬉しさなど感じる機会も多かったと思う。
 実際の練習は、子ども主導にならざるを得ない。私は休日しか練習を見られないためだ。高学年の子が下学年の子に教える。良くCDを聴く。わからないことは、週末に確認。そして、その反復、反復。
 もう1時をまわっている。外に出てドッジボールを一緒にやる……結構疲れるが楽しい。「もう終わり〜。手ぇ洗ってうがいしろ」「え〜、もう1回!」「はい合奏、合奏!」……。
 3回目のコンサートも間近。最高の演奏をする子どもたちには拍手が嬉しい。

宮城県多賀城市立多賀城東小学校吹奏楽クラブ“ブライト☆キッズ”
松森 英樹

団員数:男子5名 女子17名   ※団員数は掲載当時のものです。
モットー:明るく!楽しく!元気良く!!

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