
No.54 1ヵ所だけのフィルインでも!
今を遡ること20数年前(おお!ずいぶん昔みたいだ なぁ…)、僕はとある県立高校の吹奏楽部のパーカッションパートに所属し毎日まじめに(うそこけ!)練習に励んでいた。もっとも、自分から進んでするのは当然ドラム・セットの練習ばかりで、先輩たちからは口うるさく「ドラムばかりじゃなく、もっと鍵盤楽器とか小物とか、他のモノも練習せんか!」と小言を言われまくっていたのではあるが…。
そして練習のかいあって、数曲のドラムの担当を言い渡された僕は、譜面どおりの演奏では飽き足らず、自由にフィルインを入れられそうな部分を探しては「あーでもないこーでもない」とさまざまなフレーズを繰り出してみたり、リズムパターンをもともとの譜面とは違う勝手なパターンに代えたりしては、まわりから冷たい視線を浴びたりしていた。ようするに「研究熱心ではあるが、未熟なドラミングでまわりに迷惑をかけまくって」いたのである。むろん本人はまわりの迷惑など気づくわけもなく、ただ、当然未熟ではあるが情熱だけは誰にも負けないつもりだった。
時は流れて…。
一人前にプロドラマーとして仕事を始め、現在は、主にミュージカルのオーケストラで演奏する仕事を中心に活動をしている。最近では「ライオンキング」「ミス・サイゴン」などの有名な作品にも参加してきたけど、今になって、若かりし頃の(こんなコト書くと、すご〜〜いオジさんみたいだなぁ…)情熱が今の自分を形作る基礎になっていると、つくづく思ったりする。
最近、日本全国さまざまな場所で吹奏楽に関わるお仕事をされている方と知り合いになり、その方から聞いた話では「ポップスを好んで演奏する楽団が少なくなっている」ということだそうでサミシイ限りである。さらに、ポップスを演奏する少ない楽団においてもドラムを担当する学生が、自分でフレーズを考えたりはせず、誰かが(この場合ほとんど指導にあたる先生か、おせっかいな先輩というコトになるのだと思うけど)楽譜にきちんと書いてあげないと演奏ができないという話を伺うに至って、私のキュートなハート(笑)はサミシサ最上級となった。つまり「サミシッシシモ」である。
僕が学生だった頃のようにしろとまでは言わないし、別に自分でこね繰りまわさなくてもドラムのパートを成立させることは当然できるわけだけど、なんかもったいない気がしてならないんだよね。「自分の言葉で」演奏した方がきっともっと楽しいし、ドラムなんて吹奏楽のなかでいちばんそれができる楽器だと思うから。
だから強くおすすめします!! 1曲でも良いし、極端な話、1ヵ所のフィルインで良いから「自分のアイディアで考えたフレーズ」で演奏してみてほしい。きっとはじめは失敗するだろうし恥もかくかもしれないけど、その経験を経て、ものすごぉ〜〜〜〜〜く深く楽器の楽しさを知ることができるから。
そして練習のかいあって、数曲のドラムの担当を言い渡された僕は、譜面どおりの演奏では飽き足らず、自由にフィルインを入れられそうな部分を探しては「あーでもないこーでもない」とさまざまなフレーズを繰り出してみたり、リズムパターンをもともとの譜面とは違う勝手なパターンに代えたりしては、まわりから冷たい視線を浴びたりしていた。ようするに「研究熱心ではあるが、未熟なドラミングでまわりに迷惑をかけまくって」いたのである。むろん本人はまわりの迷惑など気づくわけもなく、ただ、当然未熟ではあるが情熱だけは誰にも負けないつもりだった。
時は流れて…。
一人前にプロドラマーとして仕事を始め、現在は、主にミュージカルのオーケストラで演奏する仕事を中心に活動をしている。最近では「ライオンキング」「ミス・サイゴン」などの有名な作品にも参加してきたけど、今になって、若かりし頃の(こんなコト書くと、すご〜〜いオジさんみたいだなぁ…)情熱が今の自分を形作る基礎になっていると、つくづく思ったりする。
最近、日本全国さまざまな場所で吹奏楽に関わるお仕事をされている方と知り合いになり、その方から聞いた話では「ポップスを好んで演奏する楽団が少なくなっている」ということだそうでサミシイ限りである。さらに、ポップスを演奏する少ない楽団においてもドラムを担当する学生が、自分でフレーズを考えたりはせず、誰かが(この場合ほとんど指導にあたる先生か、おせっかいな先輩というコトになるのだと思うけど)楽譜にきちんと書いてあげないと演奏ができないという話を伺うに至って、私のキュートなハート(笑)はサミシサ最上級となった。つまり「サミシッシシモ」である。
僕が学生だった頃のようにしろとまでは言わないし、別に自分でこね繰りまわさなくてもドラムのパートを成立させることは当然できるわけだけど、なんかもったいない気がしてならないんだよね。「自分の言葉で」演奏した方がきっともっと楽しいし、ドラムなんて吹奏楽のなかでいちばんそれができる楽器だと思うから。
だから強くおすすめします!! 1曲でも良いし、極端な話、1ヵ所のフィルインで良いから「自分のアイディアで考えたフレーズ」で演奏してみてほしい。きっとはじめは失敗するだろうし恥もかくかもしれないけど、その経験を経て、ものすごぉ〜〜〜〜〜く深く楽器の楽しさを知ることができるから。
小出じろう氏は、佼成出版社より好評発売中のCD『M8スタイル Vol.2』(KOCD-0802)でドラムを担当!
お楽しみに!!