No.67 上手くなる瞬間に感動！
「吹奏楽が好きだ」と胸を張って言える自分が誇りです。この春、異動をしましたが、前任校に勤務した８年間、毎年、いえ毎日、生徒たちの様子は変わりますが、意欲的・積極的な生徒に囲まれて楽しく吹奏楽にどっぶりつかっていました。それにしても生徒の持っている音楽性の高さには驚かされるばかりです。
私と吹奏楽との出会いは中１の頃、ピカピカに光るトランペットに憧れて音楽室に行って、顧問の先生に「トランペットを吹かせてください」と言ったところから始まります。その後、いくつかの山や壁はありましたが、音楽大好き人間になり、高校・大学と吹奏楽を続け、教員になりました。初任校で「よし吹奏楽を指導できるぞ」とはりきっていたら部活担当は柔道部。しかし、生徒にふともらした「吹奏楽したいなぁ」という言葉が部員の耳に入り「吹奏楽の指導もお願いします」とのうれしい申し出があり、柔道着を指揮棒に持ちかえて指導にあたり、当時は２つの部活を掛け持ちしていました。
吹奏楽コンクールでの指揮も初めて経験し、なかなか結果の出ない自分の指導に歯痒さも感じながらがむしゃらに指導にあたりました。講習会やクリニック等にも手当たり次第出席してみました。しかし、自分が音楽を楽しんでいたときの痺れるような喜びは見出せなかったのです。このときは本当に苦しみました。
また何年かが過ぎ、あるとき生徒に「こんな下手くそな指導しかできない私でいいのか？」と聞いてみたことがあります。そのとき「私たちには先生しかいません」と答えてくれた言葉に、心から感動し自分の甘さを痛感しました。そして、指導する喜びを感じました。「この生徒たちともっと正面から向き合おう」と思ったのです。現在の指導については、特別なことはしていませんが、合奏以外はできるだけ少人数で行うようにしています。そうしないとなかなか生徒の本音がわかりません。言葉も楽器も同じです。私は「みんなが、それぞれが持っている音楽を、楽器を通して語り、歌いあげれば、素晴らしい音楽として聴いている人に訴えるはずだ」と語っています。
指導を続けていると何度も「上手くなる瞬間」に出会います。それは、ほとんどの場合、前から練習を続けていて課題となっている箇所が何気なくできた、その瞬間です。吹奏楽をやっていない人から見れば「何でそんなことにこだわるの」と思うことばかりかもしれません。でも、ある目標を設定して、それが達成できたときの喜びは何物にも代えることができません。こういう感動体験をした生徒は、人生の中で他では代えられない大きな経験をします。これは、ひとりではできません。そして、一人ひとりが重要な役割（パート）を持っているのです。そこで、部員みんながいて、協力し合ったり、ぶつかったりしながら体得した友情や団結力は、たいへん強固になります。吹奏楽の魅力は、こんなに大きく深い感動の体験ができるのに、一人ひとりはごく普通の中学生で、特別な能力を持っているわけではない人が集まっていることです。新しい学校でも、大好きな吹奏楽で、音楽の喜びを生徒とともに味わいたいと思います。
私と吹奏楽との出会いは中１の頃、ピカピカに光るトランペットに憧れて音楽室に行って、顧問の先生に「トランペットを吹かせてください」と言ったところから始まります。その後、いくつかの山や壁はありましたが、音楽大好き人間になり、高校・大学と吹奏楽を続け、教員になりました。初任校で「よし吹奏楽を指導できるぞ」とはりきっていたら部活担当は柔道部。しかし、生徒にふともらした「吹奏楽したいなぁ」という言葉が部員の耳に入り「吹奏楽の指導もお願いします」とのうれしい申し出があり、柔道着を指揮棒に持ちかえて指導にあたり、当時は２つの部活を掛け持ちしていました。
吹奏楽コンクールでの指揮も初めて経験し、なかなか結果の出ない自分の指導に歯痒さも感じながらがむしゃらに指導にあたりました。講習会やクリニック等にも手当たり次第出席してみました。しかし、自分が音楽を楽しんでいたときの痺れるような喜びは見出せなかったのです。このときは本当に苦しみました。
また何年かが過ぎ、あるとき生徒に「こんな下手くそな指導しかできない私でいいのか？」と聞いてみたことがあります。そのとき「私たちには先生しかいません」と答えてくれた言葉に、心から感動し自分の甘さを痛感しました。そして、指導する喜びを感じました。「この生徒たちともっと正面から向き合おう」と思ったのです。現在の指導については、特別なことはしていませんが、合奏以外はできるだけ少人数で行うようにしています。そうしないとなかなか生徒の本音がわかりません。言葉も楽器も同じです。私は「みんなが、それぞれが持っている音楽を、楽器を通して語り、歌いあげれば、素晴らしい音楽として聴いている人に訴えるはずだ」と語っています。
指導を続けていると何度も「上手くなる瞬間」に出会います。それは、ほとんどの場合、前から練習を続けていて課題となっている箇所が何気なくできた、その瞬間です。吹奏楽をやっていない人から見れば「何でそんなことにこだわるの」と思うことばかりかもしれません。でも、ある目標を設定して、それが達成できたときの喜びは何物にも代えることができません。こういう感動体験をした生徒は、人生の中で他では代えられない大きな経験をします。これは、ひとりではできません。そして、一人ひとりが重要な役割（パート）を持っているのです。そこで、部員みんながいて、協力し合ったり、ぶつかったりしながら体得した友情や団結力は、たいへん強固になります。吹奏楽の魅力は、こんなに大きく深い感動の体験ができるのに、一人ひとりはごく普通の中学生で、特別な能力を持っているわけではない人が集まっていることです。新しい学校でも、大好きな吹奏楽で、音楽の喜びを生徒とともに味わいたいと思います。
新潟県新潟市立巻東中学校
音田 彰
団員数：男子1名 女子28名 ※団員数は掲載当時のものです。
部 訓：責め合うな 励まし合え 練習に貪欲になれ
