
No.73 演奏したい曲より、伝えたい思い。
理科教員として、出身校である本校に勤め、すでに3年という月日が経ったなんて、なかなか信じられません。1年目は吹奏楽部副顧問を何の考えもなしに引き受けました。そのときは、次の年から自分が顧問になるなんて予想もしていませんでした。思い起こしてみれば、何度も吹奏楽をやめようと思いました。中学入学を機にやめよう…高校入学を機にやめよう…大学では他のことをしよう…。その度々に、運命のいたずらとも言うべき出来事があり、吹奏楽から逃れることはできませんでした。私が吹奏楽から離れようとしても、吹奏楽が私を放しませんでした(笑)。意識の低い部員だった私がまさか顧問になるとは!? 一緒に部活をした友達なら誰も想像つかないはずです。
そんな私が学生たちを指導するうえでこだわったのは「伝えたい思い」です。 生徒たちは「好きなアーティストの曲」や「ドラマや映画のあの曲」、「あの高校が演奏していたかっこいい曲」などを演奏したがります。ときにはそれも大事ですが、それがすべてだと困ります。
朝鮮学校に通う私たち在日は、社会的に言えばマイノリティーな集団です。我が校生徒はみんな外交官のようなものだと私は考えています。だからこそ、私たちだけにできることを、生徒には考え、おこなってほしいのです。私たちのこだわりは「民族に対する誇り、慈しみ」です。民族の服、チョゴリを身にまとい、民族の曲を演奏して国交のない日本で演奏する。私はそれだけでも意義深いと考えています。
しかし、伝えるためには、やはり技術が必要です。生徒はもちろん、私自身も、もっともっと指導者としての技術が必要です。そのための努力は惜しみません。だから、どんなにしんどくても、私はがんばれます。
たくさんの日本人が私たちを理解してくださる日を夢に描いて…。世界中の人々が私たちの存在について考えてくださることを夢見て…。
そんな日がくるのを信じ、今日も私はこだわりを持って部員たちと接していきたい、そう思っています。
そんな私が学生たちを指導するうえでこだわったのは「伝えたい思い」です。 生徒たちは「好きなアーティストの曲」や「ドラマや映画のあの曲」、「あの高校が演奏していたかっこいい曲」などを演奏したがります。ときにはそれも大事ですが、それがすべてだと困ります。
朝鮮学校に通う私たち在日は、社会的に言えばマイノリティーな集団です。我が校生徒はみんな外交官のようなものだと私は考えています。だからこそ、私たちだけにできることを、生徒には考え、おこなってほしいのです。私たちのこだわりは「民族に対する誇り、慈しみ」です。民族の服、チョゴリを身にまとい、民族の曲を演奏して国交のない日本で演奏する。私はそれだけでも意義深いと考えています。
しかし、伝えるためには、やはり技術が必要です。生徒はもちろん、私自身も、もっともっと指導者としての技術が必要です。そのための努力は惜しみません。だから、どんなにしんどくても、私はがんばれます。
たくさんの日本人が私たちを理解してくださる日を夢に描いて…。世界中の人々が私たちの存在について考えてくださることを夢見て…。
そんな日がくるのを信じ、今日も私はこだわりを持って部員たちと接していきたい、そう思っています。
東京朝鮮中高級学校吹奏楽部
黄 慈玉
団員数:高校=男子19名 女子27名 中学=女子9名 ※団員数は掲載当時のものです。
部 訓:実力、情、決心