No.77 壮絶な話し合いを経て…

 6年前、現在の職場での勤務が始まった。当時は非常勤講師で、気が向いたときに練習を見に行くというくらいのものだったが、初めて部活動を見に行ったとき、唖然とした。部員は10人そこそこで練習はせず、部室はおしゃべりとピアノの場でしかなかった。
 吹奏楽部の顧問になって4年目になる。3年前、コンクールに出場するかどうかで、恥ずかしいから出たくないと言い張る部員たちと大げんかし、しばらくクラブに行かない日々がつづいた。出場か否かを決める投票用紙には、白紙のものや悪口雑言が並べられたものもあった。数カ月後、激しい話し合いによって、その後はクラブに行くことになった。コンクールには出たくないけれどまじめに練習がしたい…と、みんなが涙を流しながらの壮絶な話し合いだった。結局、コンクールとは関係なく、1曲をきちんと完成させることを誓い、それだけを目標に練習に励んだ。
 翌年、部員がたくさん入ったため、また話し合いの場を設けた。やはりコンクールに出たくないと言い張る生徒もいた中で、出てもいいという子が増えたのは驚きだった。おかげで今度はスムーズな(?)話し合いで、小編成の部に出場した。前年度末から練習を重ねていただけのことはあった。初出場だったが、結果は3位というもので、非常に驚き、喜んだ。銅賞だったけれども。
 今では部員の数も増え、ここ2年連続で大編成の部に出場している。私自身、初めて指揮棒を持ったのは3年前のことで、ここまではあっという間だった。本当に、勢いがついてからの時間はあまりに早く、楽器や楽譜などは、いまだに不十分である。手締め式のティンパニや、セロテープでとめている楽器でコンクールに出場している姿に、近所の楽器店の方は同情の眼差しを向けてくださる。
 1けたの人数でやっていたあの頃が懐かしくなることがある。わずか3〜4年前のことなのに、今の部員からは「まさかー」と笑われるだけで、信じてもらえない。それが少し寂しい。でも、たくさんの部員たちから、それにまさる喜びをもらって活動している。

盛岡大学附属高校吹奏楽部
村井 真人

団員数:男子3名 女子32名   ※団員数は掲載当時のものです。
部 訓:楽しく活動する

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