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No.92  私の目指すもの

 私が吹奏楽に関わるようになってはや14年。いろいろなことがありました。特に小編成バンドに触れることができたことで、自分自身指導者として成長できたと考えています。

 初任校での体験が、現在の私の原点になっています。部員は6名。それまで私が思い描いていた吹奏楽とは「40数名で活動していて、朝練習、夕練習と毎日忙しいながらも充実した日々を送っている」というものでしたから、合奏に6名しかいないということはたいへんな驚きでした。その6名も実に個性的な面々が揃っていました。甘える生徒。指導を受け入れない生徒。が、何より困ったのは、彼らが音楽室に来ないこと。その当時は、「音楽はこんなに楽しいものなのに、なぜやろうとしないのだ」と、部活動に来ないのは彼らにやる気がないせいだと考えていました。
 とはいえ、実はそのときの私は、顧問ではなく、単なる一講師。本来職務上では部活動指導ができる立場にはありませんでした。今考えると、そのときの顧問のO先生には感謝しかありません。いきなり音楽室に押しかけてきた若者を快く受け入れ、指導までさせてくださったのですから。熱意だけでやっている部分が多分にある私ですから、そこで吹奏楽に関われなかったとしたら、教員を続けていなかったと思います。本当にO先生には感謝しています。
 ところで、そこでは私も助っ人として一緒に演奏したのですが、何とも言えない充実感を得ることができました。技術的に優れているわけでもないし、ピッチなど合っているはずもない。でも、「自分という存在」が「今まさに楽器を演奏している」と実感することができました。楽器を演奏すること。それは、自分自身が「欠かせない存在」だと知るチャンスなのです。
 学校現場の実態を考えると、演奏する生徒自身が「自分という存在」を実感することは重要でしょう。また、生徒自身の自己肯定感を高める生徒指導的な側面もあると思います。私にとって、あの小編成バンドの経験は示唆的でした。仲間から頼られる存在になるのは誰でも嬉しいものです。そうした自己肯定感こそが、今の生徒たちに欠けているものだと思いますし、同時に、実はそれこそが厳しい将来を生き抜く力につながると思っています。
 部活動に来ない生徒が悪い。今では考えたくもない言葉です。生徒が興味を持てない部活動運営をしている自分が悪いのです。「馬を水場まで連れていくことはできても、その馬に水を飲ませることはできない」と言いますが、もしも指導者がその水場にすら連れていけないとしたら……。そんな指導者にならないようにと、いつも自分を戒めています。

 吹奏楽指導で私が目指すもの。それは、技術の追求のみならず、生徒の成長に資するものでありたいということです。吹奏楽に関われることに感謝。生徒と音楽ができることに感謝です。

埼玉県立三郷高等学校吹奏楽部
藤倉 明雄

部員数:女子6名   ※部員数は掲載当時のものです。
モットー:一期一会

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